●9月27日~成熟経済における事業プランの考え方
最近、いろいろな経営者の方とお話するのですが、
「今回の不況は今までとは違う」という方が多くいらっしゃいます。
確かに、失業率、賃金水準、消費者物価指数などが
過去最悪の数字となると、大恐慌とまではいかないにしても、
先行きの不透明感に、短期的な明るさが全く見えないというのが、実感かもしれません。
しかし、こういう時こそ、冷静になって数字やデータを見直し、
マスコミの風潮や感情に流されずに、
「世の中で起きている本質」をしっかり見極める必要があると思います。
たとえば、よくマクロ経済の好不況の良し悪しを図る基準として、
GDP(国内総生産)の統計が使われます。
自分も、証券会社出身なので、このデータは経済を見る上で
常識的数値としてとらえてきましたが、よく見ると、
これほど、国民の生活実感とかい離した経済データもありません。
国民生活の豊かさを示す一指標であるはずの数字ですが、
ここ10年以内のGDP(名目)基本トレンドとしては、右肩上がりです。
(もちろん、短期的にはマイナス成長の年もありましたが)
一方で、一般家庭の実質賃金はここ10年間、下落傾向です。
物価もそうですね。いわゆる「デフレ」というやつです。
つまり、何がいいたいかと言うと、今回の不景気は
リーマンショックをきっかけに始まったのではなくて、
もともと、実態経済は低下傾向にあり、ずっと前から「不況」なのです。
だから、今更そんなにアタフタして、必要以上に
危機感を募る必要もないという見方です。
逆に歴史的な長い世界経済のトレンドで見た場合、
90年前や数年前のバブル期(好景気)自体が「異常」だったのです。
=今の経済は、正常に戻りつつある過程と言っていいかもしれません。
日本や欧米先進国は、よく成熟経済に入ったと言われますが、それは
もう90年代から言われていることです。
成熟=というのは、言い換えれば、右肩上がり一辺倒の成長が終了した
ということですから、10年以上も前から、実は、日本や欧米先進国も、
「非成長経済」の時代に突入しているのです。
このことをまず念頭に置いて、ビジネスモデルや事業プランの構築が
できるか否か、これからの非常に大きなポイントであると思うのです。
ですから、実際、この不況でも継続成長している中小企業の事業計画
を見ると、来年度●●%売上アップとかいう、お決まり(?)の右肩上がりプランなどは、
一切立てていないところが多いですね。
次回、実例を見ながら、今後の事業プランの考え方について、検証していきたいと思います。



1990年明治大学卒業後、野村證券に入社。以後、IRコンサルティング会社や外資系メーカーのセールスマネジャー等を経て、2001年Webシステム開発会社のマーケティング担当役員に就任。